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執筆者の写真早大劇研20新歓

劇研の声|旧人×新エチューダー【対談編vol.4】


2021年度早大劇研新歓インタビュー企画『劇研の声-対談編-』、第四回は「旧人(2年代以上の劇研員)×今年度エチューダー(新人担当)」。



劇研員対談 「旧人×今年度エチューダー」



今回は2年代の時吉海希(ときよしかいき)さん〈タイトル写真左〉と今年度エチューダーの田中遼太郎(たなかりょうたろう)さん〈タイトル写真右〉にお越しいただきました。旧人とエチューダーであるお二人に今年度の新人訓練について話を伺いたいと思います!


新人への期待

―今年度の新人に対して楽しみにしてることは?


海希 僕はお試し稽古に全部は行けてないんですけど、一回行ったときに、みんなお試しで初めてっていうこともあって、ちょっと恥ずかしがって、自分のやりたいことができてないなって感じがすごいして。でも、新人訓練を遼太郎さんのもとで2,3ヶ月やってくうちに、どんどん自分を解放していくと思うんですよね。だから、その過程でどうおもしろくなっていくのかは楽しみだし、逆に、初めからおもしろい人は、もっと開けていくのか、壁にぶつかるのかってのを見ていくのも、おもしろいのかなと思います。


遼太郎 20(←2020年度入会者)が人数多いからさ、(2021年度の入会者が)入った後からどういう関わり方をしていくのか、すごい楽しみだな。バチバチするのか、20の主要となる人たちについて行くのか、そこはどうなんだろうって。新人訓練はもちろんなんだけど、どういう目的を持って入ってくるのかが楽しみかなあ。


海希 そうですね。今はアンサンブル(←劇研内の劇団)がない中で、21(←2021年度入会者)も今後中核の世代になっていくから、遼太郎さんの役割めちゃくちゃでかいと思うんですけど…


遼太郎 いやー、やめる??笑 それはそうだよね。


海希 ハードルが高いっていうのがある中で、なんでエチューダーになろうと思ったんですか?


遼太郎 えっと、1番はやっぱり自分に関心があるから。自分のためにっていうのが1番大きくて。役者としてもそうだし、それこそ現役としてっていうのもあるし、そのために他人に関心を持つっていうことにすごい興味があったから、エチューダーをやろうと思ったかな。だから、来てくれる人も、まず1番に自分に関心を持ってほしいし、そのために人に関心を持ってほしいな。


海希 そうですよね。僕たちのエチューダーの奥泉さんもそうなんですけど、人に関心を持ってる人ってすごいですよね。演技も、人よりのびがいい気がするし、見てておもしろいし。人に興味を持つってすごい大切なんだなって劇研に入って思ったんですけど…


遼太郎 俺はもともと人に関心がない人だから。


海希 そうなんですか?


遼太郎 そうそう。


海希 だから、今回はきっかけというか、それでエチューダーをやりたいってなったんですか?


遼太郎 いや、それはお試しをやっていく過程で気づいた。あ、俺って人に関心がなかったんだって。それこそ、俺はその場の会話をすごい盛り上げたい人なんだけど、その場だけ盛り上げてあんまその人のことを見てなかったというか。その瞬間瞬間はすごく楽しい時間にしたいんだけど、後々続かないっていう。


海希 ああー、わかります。


遼太郎 とか、お試しをやるにつれて、俺ってこういう人間なんだなってすごい落ち込んだり、喜んだりするな。


海希 意外と新人が学ぶと同時に遼太郎さんも学んでるんですね。


遼太郎 学んでるよ。もう、すごく学んでるね。そうだね、人に関心がないから、俺がエチュード(←即興劇)に出た時のことを思い返すと、やっぱ俺が1番おもしろいように展開しちゃってたのよ。だから、エチュード全体のことを考えてないとか、お試しを通して、そうだったんだって気付くことが多くて。もうこの時点で価値あるなと思うし、やっぱり楽しいなと思うから、エチューダーやってよかったなって思ってる。早いけどね。


海希 遼太郎さん自身がエチュードに出たりはしないんですか?


遼太郎 出ないね。よっぽどのことが起こったら出るかもしれないけど。でも、俺がやることが正しいとは限らないのに、エチューダーっていう立場上、新人からするとそれが答えになっちゃうじゃん。だから、そういう意味では出ないほうがいいなって思ってる。まあでも最近はまた考えるけどね、出ようかなって。


海希 いやー、僕見たいです。


遼太郎 正解が出るとは限らないんだけど、1つ絶対間違いじゃないことっていうのは提示できる自信があるから。それこそ、今お試しやってて感じるのは、一旦全力になることだね。全力になるのって結構難しいもんね。


海希 いや、難しいですよね。最初は、全力ってなったら、とりあえず叫ぶのかな?みたいな。


遼太郎 そうそう。で、とりあえず叫ぶ、でもいいんだけどそこが難しいんだよね。一歩目がその全力になることだなっていうのがあるから、それを見せるために(舞台上に)上がるっていうのは考えたりはするかな。まあでも、絶対に上がることはないけどね。


海希 そうなんですね。まあ、(立場上)答えになっちゃうからってことですよね。ここって、癖とか個性が強い人が集まるイメージがあるので、ここで遼太郎さんが答えを見せて、それに近づけさせるとかじゃなくて、一人一人を活かしていくというか、そういう感じなんですかね。


遼太郎 そうだね。


海希 コメディーやりたい人とか、絶対遼太郎さんのエチュード見たいと思いますけどね。


遼太郎 そうだね笑 だからまあそれは来年にだよね。



海希 そうなりますよね。



―今までやったお試し稽古の中で、印象的だったことや個人的に好きだったエチュードは?


遼太郎 印象的だったこと…、まあ参加者が出るだけでおもしろいんだよあー。


海希 確かに!


遼太郎 こう十何年生きてきてさ、やっぱそれが出ると思うんだよ。それが垣間見えたときに、すごいおもしろいなって思うから。で、このまず出るっていう一歩が大きいし、実際に参加者が十何人にいて、全員が全員上がれるわけじゃないし、旧人もいて、緊張感がある空気の中で、舞台に上がるっていうのは、もうお試しの時しか味わえないから。劇研員になっちゃうとさ、ちょっとホーム感あるじゃん。


海希 ありますね。


遼太郎 だから、そのアウェーの状態の緊張感・緊迫感の中で一歩出るっていうのは、もうその時点でおもしろいのよ。すごいことだと思うんだよね。


海希 よく考えたらヤバイですね。


遼太郎 ヤバイことなんだよね、あれは。だからまあ出るだけでおもしろいし、出たときに、身体系のメニューでは見えなかった、この人はこういう人なんだっていうのが見えた瞬間はやっぱすごいおもしろいなって思う。エチュードとしては、これきたな!って思うのはまだ出てないかな。でも、俺が印象に残っているのは、やっぱおもしろいとか笑っちゃうとか、自分から反応がこぼれ出た時のものはやっぱ覚えてて、で、その中で一個あったのは、あれかな。自分の意表を突くというか、見てて予想しているところをポンって裏切って、それでくるか!っていうようなことをやった子がいて。それは技というより、すごい空気感を読んでて、その空間の中で一個ポンって発言したことが結構ウケて。それは一個印象に残ってるかなあ。


海希 なるほど。突拍子もないことをバッて言って、ドッて盛り上がるって感じなんですかね。


遼太郎 そうそうそう。やっぱね、空気読むのって大事だなって思うな、エチュードとか演劇において。



今年度の新人訓練に関して

―今年度の新人訓練について、その魅力やポイントは?


遼太郎 魅力やポイントか。芸能の養成所とか、他の演劇サークルとか、劇団の研究所とか、そのいろんな選択肢の中に劇研があって。で、それぞれ演劇の入り口を用意するっていうところに向かっていると思うんだけど、そのアプローチの仕方はそれぞれ違ってて、各々のカラーが出るわけじゃん、(演劇の)入口に向かうための。


海希 そうですね。


遼太郎 だから、お試し稽古を通して、とりわけ劇研がどういうカラーで入口に向かっているのかっていうところを感じてほしいな。そして、そのカラーに魅かれて集まってくる仲間がいるっていうのがポイントかな。そういう人たちと企画やったり劇団を旗揚げたりするのがいいし、そういうことしないにしても、出会えるってことは大きいかな。


海希 そうですよね。入ったらほぼ毎日会うことにもなるし、まあ別に早稲田に限らずいろんな人が入ってくるんで人との出会いは多いですよね。


遼太郎 うんうん。海希は去年(お試し稽古とか)やってこれが魅力だなみたいなの何かあった?どこに魅かれて入った?


海希 いや、僕はですね、もうおもしろさ絶対主義だったんで。僕野球部だったんですけど、高校の野球部ってとりあえずおもろいことしときたいみたいなとこありますよね。そのノリで、人の迷惑にならずにおもしろいことをやってれば、絶対何やっても正しいくらいに思ってたんですよ。それでいろんな演劇サークル見て回ったときに、間違いなく劇研がおもしろさで飛び抜けてて、レベルが違うなと思って。それでやるならしっかりやりたかったんで、劇研ってもうこれ以上にない空間だなと思って。あとこれは個人的な話なんですけど、お試し稽古のときに僕がタルエダでへばっちゃって、ちょっと外で休憩してたときに、遼太郎さんがめっちゃ声かけてくれて。


遼太郎 あーー、ほんとに?俺もそれ覚えてるよ。


海希 ですよね。僕それ1つ入会するきっかけですよ。


遼太郎 マジで?


海希 マジですよ。もちろん厳しいんですけど、厳しかったりきつかったりしても絶対にサポートしてくれる先輩がいるんだと思ったので、厳しいだけじゃなくてその空気感もしっかり兼ね備えてる劇研ってすごいなと思って。


遼太郎 そうだよね。大っきいよね、それって。俺もね、お試し終わった後に話しかけてくれてたのとか、やっぱ決め手になってるわ。それもだし、俺の時は毎回筋トレをやってたんだけど、あの時間が俺すごい好きだったんだよね。旧人の人が(参加者が筋トレを)やってる所に声かけて、応援してくれる時間みたいな。ちょっとくさい感じの空気感なんだけど、それがすごくいいなあと思ったんだよね。筋トレマジックだよね。筋トレ最後にやるだけで今日やってよかったなって思う。


海希 バチバチに疲れているのに、声かけられるだけで、よっしゃあ!ってなりますよね。


遼太郎 そうそうそう。今年はね、ちょっと時間も少ないから、やるかどうかは時間見て決めるけど。


海希 まあ、そうですよね。



―海希は新人訓練をどうやってサポートしていきたい?


海希 それこそ、去年遼太郎さんが僕にやってくれたことは1つやりたいんですよね。それと、僕は全然演劇やったこともなければ観たこともなくてここ入ったので、そういう人が悩んでいたら、同じ境遇なりにサポートしたいですし、演劇やったことないとか、スポーツからいきなり演劇に入ったとか、地方出身とか、どんな接点でもいいので、何か1つでもピースが合えば、その点に関して僕がアドバイスなり励ましができるなら、そこは絶対にやっていきたいかなと思いますね。


遼太郎 そうだね。サポートね。1個下と1個上ってさ、結構関係性が大切だし、割と近い距離になる人たちだから、確かにそこは大事だと思うな。


海希 20は人数が多いのでいろんなやつがいて、僕みたいにそういうサポートがメインになるやつもいれば、ちゃんとしっかり怒れるやつもたくさんいて、たぶん20ってそういう意味で役割分担ができるので、そこは1つ強みなんじゃないでしょうかね。


遼太郎 だね。多いっていうのはいいよね。



―今年度の新人訓練で重視していることは?


遼太郎 重視していることは、やっぱ考えることかな。養成所とかとは違うから、この場所は。ここは自分で考える場所だと思うんだよね。俺はもちろん、持て余すことなく、向き合って、で、さっき言った入口に向かうために全力で導くんだけど、やっぱ基本考えるっていうのがベースにほしいかな。で、俺におもしろいって思わせてほしい。どうしたらそうなるかなっていう風に、自分で考えてほしいし、俺も考えるし。だからそこは同じ立場というか、おもしろいことを考えることに関しては、年代上も下もないし、エチューダーと新人ってのも関係ないから、おもしろいことを求める、求め合える関係性がいいかな。


海希 なるほど。自分で考えるって大事ですよね。


遼太郎 いやホントにね。やっぱ一生さ、教えられるわけじゃないじゃん。まあ、一生学び続けることは必要だと思うんだけど、受け身なだけじゃないから、役者って、役を与えられて、自分で考える仕事だから、やっぱり、考えるっていうのはベースに持ってといてほしいかな。


海希 ですね。まあ、基本どの道を進むかもどう歩くかも自分で考えて欲しいけど、もし迷った場合は遼太郎さんが道を示してあげるよっていう。



最後に

―これから入ってくる新人に対して一言


海希 さっきからちょこちょこ言ってるんですけど、いろんなバックグラウンドがあって、いろんな人が入ってくると思うし、新人訓練約3ヶ月、毎日長いしきついと思うんですけど、まあ絶対にプラスにしかならないんで、とりあえず頑張って欲しいですよね。いろんなことを吸収できると思うので、とりあえず吸い込んでほしいですよね。


遼太郎 吸い込む?


海希 掃除機みたいに。


遼太郎 あー確かにね。掃除機みたいに吸い込めると、結構いい感じになるよね。


海希 掃除機みたいに吸い込んで頑張ってほしいですよね、がんばルンバ。


遼太郎 終わりにした方がいいんじゃない?笑


遼太郎 まあ新人に対しては、お試し稽古に来ていただければ直接投げかけるんで、お試しに来てほしいな!



時吉海希さん、田中遼太郎さん、ありがとうございました!

次回は「役者入会者×脚本家入会者」。5月21日(金)更新予定です。お楽しみに!


 

【早大劇研2021年度新人募集】

18歳以上100歳未満。

大学、所属、経歴、一切不問。

例年の入会までの流れ、新人訓練などについてはこちら

今年度の入会意思決定日は6月13日。新人試演会は9月5日(予定)。

最新情報は早大劇研公式Twitterで随時公開。早大劇研Instagramも更新中!

 

※映像配信のみとなっております。

配信チケット販売中!5/16(日)に配信予定です!


【早大劇研“再生”企画公演『サンカク』】

サイカイ、カクサク、カイサイ。

“再生”などと大仰な看板を掲げて打ち立てる4年ぶりの企画公演。

参画するは三人の脚本家。

「だれが一番おもしろい演劇を作るか。」

実績なき原石たちのイス取りゲーム、いま開幕。


時吉海希が公演内の作品『ジジイ・オブ・ザ・デッド』に出演します!

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