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執筆者の写真早大劇研20新歓

「劇研の声」2022 第二弾 土井実×鳥塚隼人




新歓対談企画「劇研の声」。第二弾は、新歓公演『センデンカイギ』の主宰で作・演出を務める鳥塚隼人(鳥塚隼人)と、『センデンカイギ』に出演、スチール撮影なども行う土井実(3年代)が登場!


劇研を選んだ理由

鳥塚隼人(以下、隼人) 僕は去年の新歓公演の『ジジイ・オブ・ザ・デッド』を見て「あ、ここコメディやれるんだな」と思って。迷ったんですけど、劇研にしました。


土井実(以下、実) どこと迷ったの?


隼人 木霊ですね。めちゃめちゃ木霊のお試し(稽古)に行ってたんで、向こうだと入ってくれなかった子って認識らしいです。


 私は・・・・・・勘ですね。新歓のツイッターとかを見てた段階からいいなと思っていたっていうのと、強いて言えば母校の高校の校風と結構似てる感じで。それこそ新人訓練じゃないですけど、応援歌練習とかそういうのがあったりして。こういう雰囲気の場所が好きなんだと思います。



――隼人は他大生ですが


隼人 大学の方で探そうと思ったんですけど、何をどこでやっているのかよく分かんなかったので。早稲田に来てみたら面白そうなことたくさんしてる


なというので、あれよあれよという間に来てました。


 去年は新歓結構力入れてやってたしね。オンラインだったけど。





新人訓練について

――新人訓練は意味があると思う?


実 意味がありますかってことは意味無いかもしれない。その疑問が出る時点で。


隼人 そうですね・・・・・・ここまで長く続いている時点で意味があるんじゃないかなと思うんですけどね。


 私個人はあったと思いますね。人前に出たことが無い状態で入ってきて、色々やらされて出来ることも増えて、って感じで。私はスタートが低かったから、正直何しても(意味が)あったと思う。


隼人 確かにそうですね。僕も未経験からなので新人訓練とか、あの三ヶ月を乗り越えるっていう経験は必要だったかなと思うし。今主宰をやってて痛感してますね。あの苦しみというか、どうにか面白いものを作らなきゃいけないというプレッシャーの中で考え続けるって、結局この先続いていくのは確かなんだと思うので。


 あ~プレッシャーの中考え続ける。


隼人 という経験はやっぱり必要かなと思うし。あと、シンプルに体力づくりっていう面で必要かなと思います。どうしても稽古とか長時間になるので。長時間とか毎日とか結局やっていくと、それの体力を作るために(新人訓練が)必要なのかなっていう風に思ったりしましたね。


 発声と身体と、あとエチュードとってあるけど、やっぱり基礎基本ではあるから、それをやること自体には絶対意味はあって。そのやり方の話が最近問題になって・・・・・・問題になってないけど(笑)。議論されてるわけだよね。だから(問題は)時間の拘束とかじゃない?


隼人 確かに3ヶ月拘束され続けますけど、小屋入り(※本番直前の準備期間)とか、実際に座組で稽古していくってなったら、それと同じくらい拘束されますもんね。


 そうだね。バイトもなんやかんや小屋入りしたら入れないような感じになっちゃうし。


隼人 ここ5ヶ月ぐらいあんまりバイトできてないです。


――新人訓練で何が苦しかった?


隼人 試演会のネタ出し期間とか。絞り出さなきゃいけないっていうのが一番つらかったです。


 すごいプレッシャーの中、絞り出さないといけない。助けてくれる人はいるけど、やっぱ自分で考えていかなきゃいけないっていうのがずっと続いて。


隼人 思い出しただけでアーーってなりますね。


 試演会のネタ出しみたいなの、私の代がその時、(コロナ禍で)本当に演劇が思うようにやれない時期だったから、それは別の意味で辛かったかも。ネタ出しとかもお家でやってたんだよ、みんながLINEとかを使いながら。またちょっと違った辛さじゃないけど、そういうのもあったんです。


隼人 僕らは舞台上で試せたのはあるんですけど、舞台上で直接すべるって経験がやっぱり何よりキツイのは確かなので。



――それぞれのエチューダーについてはどう思う?


隼人 (3年代の時は)奥泉さんですよね。


 奥泉さん。


隼人 で(2年代の時が)遼太郎さんです。


隼人 奥泉さんとたぶん明確に違ったのは、あんまり理不尽とか無かったとは思うんですけど・・・・・・。


 理不尽は無かったよ。


隼人 無かったんですか!?


 無かったのよほんとに。私たちの代が入る前に(理不尽なことが)消えたんだと思う。


隼人 でも、だからこそきつい、みたいなのはちょっとあって。


 向こうが正しいから。


隼人 こっちに完全に非があるから、例えば滑舌表(台詞練習のための早口言葉表)が言えないとかあれば完全に非はこっちにしかないので。


 すいませんってなっちゃう。


隼人 だから「は?」ってキレる部分が無い分、ちょっと辛いのがあります。


隼人 こいつら頭おかしいだろって思えないのが、逆に辛いなってのはありますけど、


 正気の方がキツい。


隼人 そのキツさはありますけど、それってちゃんとすれば良いだけみたいなところはあるので。言われたことは滅茶苦茶ちゃんとやることをオススメする(笑)


 そうだね。だから筋が通ってさえいれば、作業とかでも何をしてても、どんな手順を踏んでても怒られなかった記憶がある。


隼人 そうですね。


実 奥泉さんに関しては、新人訓練の期間よりその後の方が圧倒的に長いからその印象も強いんだけども。


隼人 遼太郎さんは確かにほぼ会ってない。新人訓練の期間以外あんまり会えてないですね。同期の中でもだいぶ会いに行ってる方なんですけど、それでも会ってない。


 メッセージとか送っとく?


隼人 遼太郎さん、ご飯行きましょ(笑)。21みんな思っているので。






劇研で主宰を務めること

隼人 主宰っていう仕事で一番つらいのは、僕自身が優柔不断なので、何かを決めなきゃいけないことが毎日なんですよね。次の稽古をどうするかとか、何時までにこれやって、その間にこれやんなきゃいけなくて、とか。とにかく決めてくのは苦手だし、演出助手の航生さん(峰岸航生、20年度入会)とか喜望さん(佐久間喜望、19年度入会)からこれどうする?これは?という連絡もあるし、制作からも(連絡が)くるし・・・・・・そういうのに全部答えなきゃいけないので、常に気が抜けないんですよね。家帰ってもずっとLINEでやりとりして、SNSのあれどうする、っていう連絡をずっとやってる状態なので、気は確かに抜けないですね。


 去年の秋に制作だけをやってた公演があるんだけど、それでも常に連絡して大変だったから。主宰はその何倍もでしょ。相当大変だなって思った、今。


隼人 優先順位をつけるのが下手なので、そうなった時にうわぁっていう状態がずっと続いてるのよくないなって思ってます。


実 優柔不断かはわかんないけど、私から見た隼人は揺らいでいないようには見える。少なくともそう見えるから強いなと思ってて。まあ、頑固。それは頑固じゃないとできないなって思う、主宰とか。


隼人 それはそうですね。自分が作ったものに一定の自信はないとやってらんないですね。


 そうだな。


隼人 「ここ、こっちの方がいいかもな、こっちの方が・・・・・・」ってなっていくと、結局周りがどんどん困ってくってのがよくあるので。というのと自分が作りたいものじゃなくなってくるとか、色々気にして……とか。そこだけは揺らいじゃいけないなと思うけど、やっぱり常に不安だったりはします。


 稽古場でぐでーってなってるもんね。


隼人 そうですね。これって面白いのかなっていう不安とかは、常にありますけど。


隼人 残席情報を気にして、「あ、どんどん埋まってく。ここでウケなかったら・・・・・・」ってちょっとマイナス思考なところがあるので自分には。それが出てくるとどんどん不安になります。


隼人 ただ一個だけ揺らいでいないのは、面白い本を書いたって自信だけあります。そこだけあるので、どう演出するかとどう動いてもらうかが、やっぱり一番考えなきゃいけないことで、今どうにかしたいことなので。


 でも頼もしいよ。何回も言ってるけどさ、役者とかも周りが口出してどんどん変わっていっちゃうのだってある訳じゃん。


隼人 そうですね。


 隼人は変わらないだろうなって思うから頼もしい。





新歓公演『センデンカイギ』の見所

 あれだね。なんだろう根暗だけど頑張るコメディ。


隼人 たしかに。全員性根暗いですよね。


 暗いけど頑張ってます、みたいな。


隼人 あとはとにかくCMを見てほしい僕は。


実 そうだね。脚本読めば読むほどCMおもろいなってなっちゃうね。


隼人 そうなんですよね。で、事前に見てもらえるとね。僕らとしてもありがたいですよね。



――キャスティングはどんな風に決めた?


隼人 キャスティングに関しては正直、同期だから知ってるっていうのがあって。(3年代の)実さんと孝太さんはわりと後なんで。なんとなくのイメージがあってキャラクターとか振って、役者さんをキャスティングしたかなっていうのが。


実 役者が先?


隼人 で、なんとなくキャラ。役者が先でキャラクターは当てていってる感じが多いので。この人で、これが見たい、っていうの有り気で作っているので。



『センデンカイギ』の宣伝

隼人 そうですね「センデンカイギ」の宣伝・・・・・・ちょっとコアの笑いになっちゃってますもんね。


 そうだよね。


隼人 それでも笑えるように頑張らないとというところはありますけど。


 でも好きな人は絶対めちゃめちゃ好きだよ。


隼人 いやあー新歓公演にあるまじき、人を選ぶお笑い(笑)。


 でも、来た人みんなにおもろいと思ってほしい。


隼人 そうですね。そう思ってもらえるように演出頑張らないといけないですね。



――最後に一言


隼人 劇研に入りたいなって思ってもらえる舞台にしたいなって思ってます。


 とりあえず私はめちゃめちゃおもろいと思ってます。頑張ります!





 
早大劇研公式YouTubeにて動画版「劇研の声」も公開中!

*鳥塚隼人作・演出、土井実出演
新歓公演『センデンカイギ』
5月13日(金)~5月15日(日)@大隈講堂裏劇研アトリエ
 
早大劇研新歓情報は公式Twitter公式Instagramにて発信中!
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